2019年09月25日

なぜや?

うんざりするほど長文です。
一段落目で興味なければスルーしましょう。

昨日話していたことなんですが、アシュタンガヨガの先生って、人によって言うことが結構違うんです。なぜでしょう。

僕がナンシー先生に聞いた話と、そこから推察できることを書いてみます。

まず、現代のアシュタンガヨガを学ぼうと思ったらインドのマイソールに行くのが間違いないと思います。ただ、ここではティーチャートレーニングが開催されているわけではありません。ただ練習するのみです。そこで極々稀にシャラス先生からアジャストを受けるか、アシスタントからアジャストを受けたり、次のアーサナを貰う(とアシュタンガの世界では言う)ときに学びます。ということはつまり、あまり厳密に「このアーサナはこうやります」と学ぶ機会はない、ということです。
一応それに似た話をしてくれたケン・ハラクマ先生の経験を紹介しておきます。これは以前もブログで書いたと思います。ケン先生は10年間毎年マイソールに通って(スモールシャラの時代に)、グルジからアジャストを受けたのは4回だそうです。読み間違いではありませんよ。10年で4回です。そう仰っていました。ケン先生はアシュタンガヨガを始める以前にアイアンガーヨガを実践されていたので、特にアジャストが必要なかった、というのが実情でしょうけど。

となると、細かいところはよく分からないままだったりするんですね。それに不安を感じたり、物足りなさを感じる人が、アイアンガーヨガなどから学ぶんだと思います。超細かいですからね。そしてそれをアシュタンガヨガに持ち込む。持ち込んだ人がまたマイソールでアシスタントをしたときに、自分で補ったものを生徒にアジャストとして伝える。アジャストされた生徒はそれがアイアンガーヨガ由来のものとは知らずに持ち帰る。その無限ループ。


ナンシー先生はどのようにアシュタンガヨガを学んだのでしょうか。
ナンシー先生は1973年にグルジの生徒となったのですが、その当時は体はとても柔軟であったけど、強さが全くなかったそうです。誰もがシークエンスの最後におこなうウトゥプルティヒでまったく体を持ち上げられないほどに。そんなナンシー先生にグルジは一から十までほぼすべてのアーサナをアジャストで教えてくれたそうです。なので、ナンシー先生はめっちゃアジャストに詳しいんですね。
ちなみに、ナンシー先生と一緒に行ったデビッド・ウイリアムズ先生(スタジオにあるデカいポスターの人)は、すごく体の動く人だったので、ほとんどアジャストはなく、ナンシー先生が教わっているのを横で見て学んだそうです(それが理由かは分かりませんが、彼は自分のクラスではあまりアジャストをしない、とナンシー先生が言っていました)。

ここで留意しなくてはいけないことは、当時のナンシー先生に必要なことを必要なやり方でグルジは伝えた、ということ。つまり、ナンシー先生が教わったことが他のみんなに当てはまるわけではない、ということです。それを裏付ける証言があります。

昨年日本語版の「グルジ」が出版されましたが、その中でロルフ・ナウジョカット先生(現在もゴアで教えている超有名な先生)は以下のように言っています。

「一つのシステムの枠組みの中で、彼(グルジ)は一人ひとり個別に教えていました。スモール・シャラ(12人しか入れなかった頃のシャラ。ちなみに現在のシャラは70人くらいが入ってるらしい)では、同じポーズでも人によって異なる方法でアジャストし、一つのポーズのやり方を人によって異なる方法で教えていました。でもやっているのは同じ構造のシステムです。この一つのシステムの中に、多くの個別性と個人的なアプローチがありました」


続けます。ナンシー先生に聞いた話です。
これも以前書いたことがありますが、ジョン・スコット先生の話です。ある年のマイソールで、ジョン・スコットがスリア・ナマスカーラBのウトゥカターサナを、まず両膝を曲げて屈み込むような体勢になってから両手を大きく回し上げるやり方(現在多くの人がやっていますよね)でやっていたそうです。ナンシー先生はそういうやり方では習わなかったので、ジョン・スコットに聞いたそうです。
「なぜそうやっているの?」
ジョンの答えは
「こっちの方がカッコイイから」

またある年のマイソール(大きいシャラになってから)では、スプタ・クルマーサナに入るときに、一度起き上がってドゥウィ・パダ・シルシャーサナのように両足を首の後ろで組んでから、もう一度頭をマットに下ろしていくやり方をしている生徒が何人かいたそうです。これもナンシー先生が教わったやり方とは違ったので、グルジに「あのやり方でいいのですか?」と聞いたら、「間違えている」と答えたそう。「なぜ指摘しないのですか」と聞いたら、「彼が聞きに来ないからだ」と。
インド人の考えはよう分からんです。笑


言葉は時代によって変化しますよね。突然誰かが言い出した表現が広がり、定着し、広辞苑にも載るようになる。最初は間違えた表現であったとしても、広がれば正解となる。上記の2つの例はそんなもんだと思います。


こんな感じなので、人によって教えることが違うようになるのは、当然の成り行きなんじゃないでしょうか。

最新版こそ最高!と思う方は最新版を。
オールドスタイルが好きな方はナンシー先生のやり方を。
アイアンガーヨガのアライメントが好きな方はそれを。
挙げればキリがないですけど、自分に合うと思う好みのやり方でいいんじゃないですか。僕はそう思います。

ただ、めっちゃ大事だと思うのは、ロルフ先生の言っているように、「一つのシステムの枠組みの中で」ということ。枠組みまで自分勝手に変えるのはいかがなものかと思います。

僕はいろいろやってみて思うのは、他のヨガを混ぜ込むのはちょっとなぁ、ということ。アイアンガーヨガなどのやり方を入れることで良いこともあります。でもそれによって失われるものがあると感じているからです。自分でやってみてもそう感じるし、そうやっている人を見ても思います。そして、その失われるものこそが、僕がアシュタンガヨガで大事にしたいことです。

ただこれも、個人の感想であり、正解というわけではありません。自分で考え、選べばいいと思います。

あ、あと一つ、知らない人のために。
アシュタンガヨガの学び方の基本は、「グル・パランパラ」です。意味は「一人の師から学べ」らしいです。僕は『師』と言われるようなレベルにないので、頭数には入れなくて結構です。


参考までに。



クラス休講のお知らせ

10月6日(日)・20日(日)
13:30〜 『はじめよう アシュタンガヨガ』

ご迷惑をお掛けして申し訳ありませんが、休講となります。



9月のクラススケジュール
posted by スタジオミガク at 16:19| Comment(4) | スタッフ日誌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おはようございます。

アシュタンガヨガの深いお話、勉強になります。
私の師匠は毎年インドに赴き、シャラート先生の指導を受けていましたが、最近は応募が殺到しているようで、なかなか行けないようです。
師匠はインドに行くと、パワーアップして戻って来られるので残念ですが(笑)
私がアシュタンガヨガを学び始めた頃、時期が来たら言うから、それまでは今のスタイルで毎日練習していなさいと指導されました。
生徒さんの中には、それが物足りないのか、他のスタジオに行く人もいますが、見ていると、それでアーサナが深まったようには思えません。
皆、それぞれ体が違うのだから、指導も変わって当然です。その人に合った指導をしてくれていると思っています。
自分ではできていると思っても、実際はできていないんですよね。それがなかなか分からない…10年経って分かることもあるかもしれません。
「グル・パランパラ」…基本中の基本だと思います。

北海道はかなり寒くなったようですね。
先生、腰にはくれぐれも気を付けてくださいね!

Posted by mayumi at 2019年09月26日 04:44
>mayumiさん

おはようございます。

そうなんですね、mayumiさんのお師匠さんは毎年マイソールに行ってたんだ。本気アシュタンギーニですね。そんなアシュタンガバカ(とても良い意味で)たちが世界中から集まるあそこは、もの凄いエネルギーで満たされていそうです。そりゃあ残念ながらパワーアップしちゃいますよね。笑

物足りない、ですか。そう感じる生徒さんのことが僕にはよく分かりません。より先に進めることが、より深くアーサナに入れることが、ヨガの深まりだと考えているのでしょうか。いや、深まりとか関係ないんでしょうね。ただおもしろければいいのかもなぁ。

アーサナができている、できていないを決めるのは誰なんでしょう。どうなったらできていると判断されるのか。その判断基準は指導者に委ねられていて、それこそ人によって違うのが現状でしょう。他人にどう判断されようが、変えられるところは変えて、自分のいまできることに専念する。それでいいと思います。結局他人がどう判断するかは100%その人に委ねられていて、自分には分かり得ませんし。

mayumiさん、超能力者!?
数日前に軽く腰を痛くしました。いつも以上に気をつけて練習しているところです。
mayumiさんも気をつけて下さいね〜
Posted by スタジオミガク at 2019年09月26日 07:19
すみません。残念ながらというのはパワーアップした師匠が見られなくてという意味です。
書き方が悪くてごめんなさい。
師匠もインドに行きたいのですが、いかんせん世界中から殺到しているみたいで、今年はうちのスタジオからは一人しか行けませんでした。

腰の件ですが、実は3か月くらい前にちょっと体をひねったらクキッと!うわぁ〜やってもうた(汗)と思う間もなく、じわじわと痛みが増し、息をするのも苦しくなりました…
で、先生のブログ記事(雪かきでの)を思い出し、痛かったけれど取り合えず歩けるので次の日のレッドクラスに出てみることにしました。すると、先生の記事のように太陽礼拝ができ、フルを最後まで行えました。
その後、腰の痛みは2日くらいで治りました。
ヨガをしなかったら1週間は寝込んでいたと思います。大感謝です。

先生の旧ブログはまだネットで拝見できますか?もし、できるのならブログのタイトルを教えていただけませんか? 今、探しても見つからなくて(泣)
4年くらい前に肘に関する記事を読ませていただき、とても感動しました。肘の痛みに苦しんでいた時だったので、救われました。
是非とも教えていただきたく、お願い致します。
Posted by mayumi at 2019年09月27日 04:51
>mayumiさん

あ、そっちですか!笑
mayumiさん、お師匠さんのこと好きですね。いいですね、そういうの。
アシュタンガヨガは世界的に人気が高まりつつあるのでしょうか。札幌の東区は沈黙したままなんですけど。チーン

うわぁ、mayumiさんもやってしまいましたか。何か明らかに悪い動きをしたなら分かるんですけど、そういうのがなくても襲ってきますよね、奴ら。怖いわー。
それにしても痛めた翌日にレッドクラスとは。恐れ入りました。僕はセルフプラクティスなので何とかなりましたが、フルでカウントに合わせちゃうなんて。普段から意識的ないい練習ができている証ですね。しかし3日で治すって、mayumiさんの治癒力怖いわー。
ヨガしなかったら少なくとも1週間コースだったでしょうね。素晴らしい癒しのツールを学んでおいて良かったですね〜。

えっとですね、僕が書いてるブログはここだけなんです。12〜3年は書いているのですが、あるとき思うところがあり、過去の記事はすべて削除しました。
ブログとはそういうものなのでしょうが、ただ何気なく通過されているだけのように感じるんですよね。なので、また溜まってきたら過去数年分を一気に削除すると思います。
必要なことがあれば、がんばって海馬に留めてください!笑

いつも読んでくれてありがとうございます。
Posted by スタジオミガク at 2019年09月27日 06:58
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